「ヘタレ人類学者、沙漠をゆく」

人類学者である小西公大さんによる「ヘタレ人類学者、沙漠をゆく 僕はゆらいで、少しだけ自由になった。」を読んだ。

とにかく好きな言葉がたくさん出てくる本だ。冒頭からすごい「なぁ、コーダイ。世界は全部、風によってできていると思わないか?」なんだかわからないけどすごい!(そしてなんとなく分かってくる。)

フィールドワークを通して人類の隠された文化の秘密を解き明かすスマートな人類学者!そんなイメージを覆す、フィールドワーク中の失敗やヘタレ具合を隠さずに綴った軽快な”物語”だ。大学の恩師からうけた「世界の異質さを存分に味わって、もみくちゃにされて自分を壊してきなさい」という説教をきっかけにインドへ旅立つところから物語がはじまる。「自分探し」じゃなくて「自分壊し」の旅なのがとてもいい。

90年代のインド、ビビりすぎてホテルに引きこもってしまう小西さんに笑ってしまうし、それを全部書いてくれるのがとてもいい。さまざまな出会いから沙漠の村へとたどりつく。最初は歓迎されるも1週間も経つとみんな慣れて普通にめちゃくちゃ怒られたりするし、私物は共有財産みたいになっちゃうし、誰も「ありがとう」 とか言わない。羊を殺すための儀式や、コブラの毒を治療してまう呪医、真夜中の狩猟(著者だけが暗すぎて何も見えない)、想像もできない世界のエピソードが立て続くものだからページをめくる手が止まらない。そして、それらの出来事に対して先行研究などをふまえた解釈を添えてくれるのも人類学の本としても有り難い。

この本で重要なキーワードになるのが「怒り」だ。怒られること怒ること、インド社会での怒りの表出の仕方から個々人の違いを乗り越える視点を導き出しが素晴らしくて感動した。

 

『県警対組織暴力』

作業をしていたら、Youtubeで『県警対組織暴力』(1975年/監督:深作欣二/脚本:笠原和夫)が公式チャンネルから無料ライブ配信されていて、途中からだったけど、つい観てしまう。

ろくでもない警察とろくでもないヤクザのブロマンス映画である。改めて観ると、演出も構図も素晴らしい。
癒着していた警察とヤクザの仲が壊れていくシーンなんか、啖呵によるパワーバランスの変化が美しい構図で動的に演出される(しかも長回し!)、テレビから流れる「こんにちわ赤ちゃん」をBGMに血みどろでのたうち回る暴力シーンなんかものすごい。菅原文太と松方弘樹の顔の演技が暑苦しくていい。

友達がおすすめしていた小説『すべての見えない光』(アンソニー・ドーア)が届く。厚切りパンみたいな文庫本で最後まで読めるか心配。読み終わったらNETFLIX版のドラマを観よう。

「ネタニヤフ調書」「プラハの春 不屈のラジオ報道」

塩尻にある東座という名画座で「ネタニヤフ調書」と「プラハの春 不屈のラジオ報道」の2本立てを鑑賞してきた。どちらも人々の自由を奪う腐敗した権力と、それに立ち向かう人々の物語だ。「ネタニヤフ調書」では、ネタニヤフが政権を持続させるために超極右の政党(とんでもない差別主義者たち!)と手を組む。最近日本でも近い動きがあったと恐ろしい気持ちになる。権力を使ってメディアを押さえつけようとする側が、自由を訴える人間たちと「ファシスト」と呼ぶのはイスラエルでも、60年代のチェコスロバキアでも同じだった。

東座の支配人が、上映前にこれから観る映画の素晴らしさを紹介してくれたのが名画座の特別感があって嬉しかった。後20年はつづけてくれるらしい。田舎の映画館、隣ではポルノ映画がやっている。平日の夜。客は5人ほど。暗闇のなかで物語に入り込む体験はいつだって素晴らしい。いつまでも映画文化が続きますように。そして、私たちが自由でいられますように。

ホラーとやさしさ

ホラー映画のなかにはとにかく、嫌な気分にさせてほっぽりだして終わる作品もある。たしかに恐ろしいのだけど、見終わったあとになんだか困ってしまう。私は、ホラーとは語ることができなかった存在が、語る方法を得る手法の一つととらえているから恐ろしくも優しいものであると思っている。

読みたい本が多すぎる

読みたい本を読んでていたはずなのに、いつのまにか興味が移って別の本を読んでいる。そんなこんなで積読がたまってしまっている。

昨日の夜は「先住民から見た世界」「ヘタレ人類学者、砂漠をゆく」スパニッシュホラーの短編を1章づつ読んで眠りについた。全部が混ざった変な夢をみた。

筋トレ

映画祭で、ひさびさに会った人たちに「太った」と言われてダイエットを始める。筋トレと食事制限。Geminiが自動でトレーニングメニューをつくってくれるのでありがたい。きんにくんのYoutube動画が勉強になる。きんにくんは最近Youtubeを更新してないみたいだけど、どうしたのだろうか?心配。

風呂について

最近は熱いお湯につかるより、ぬるいお湯で時間をかけて芯まで温めるほうが効果があるのでは?というなんの根拠もない理由で、ぬるいお湯が好き。サウナブームのあとはぬる湯、炭酸泉みたいなゆっくり長時間の超リラクゼーションがくると思う。

エディントンへようこそ

レイトショーでアリ・アスター監督の「エディントンへようこそ」を鑑賞。
アリ・アスター監督作品は恐ろしい状況を生真面目に描こうとするので見ているだけで気が滅入ってしまう。めっちゃ長かった。前半は面白かったけど、とある展開からちょっとやり過ぎなんじゃないかとのりきれず。。。

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