映画「トレイン・ドリームス」

ずっと気になっていた、Netflixで配信されている映画「トレイン・ドリームス」を観た。
20世紀初頭のアメリカ。孤児として生まれ、季節労働者として鉄道を敷き、伐採の仕事をする男の一代記だ。

3:2のの画面で作られた画が美しくて一気に引き込まれる。アイダホ州の雄大な木と森、それを伐採するアメリカの労働者たち。

主人公のロバートは、そんな労働者の中にいながらマッチョさを感じさせない寡黙な男。ただひたすら季節労働者として鉄道を敷く、森を切り開く。恋に落ちたグラディスと自分たちで建てた家につつましく暮らす。

そんななかで他者に、自分に、まったく理不尽な出来事が度々降りかかる。人種差別、事故、火災。なぜそんなことが起きるのかわからない。わからないままロバートは生きることに翻弄されていく。樹齢500年の大木を切っているせいか、ひどい人種差別を見過ごしてきたからか…

そんな”わからなこそ”が生きることそのものだと思える。そして、宙ぶらりんになっていく。
その宙ぶらりんに何かを見出す展開の美しさに感動してしまった。

メインの舞台が森なので、人間と自然の絡まりあいの描かれ方がとても良かった。雄大な森は、”どこが終わりでどこがはじまりか分からないもの”と語られていて、自然の本質だと感じる。私たちは、どうしてもが理解できないから、はじまりと終わりをつい見つけてしまう。そして露頭に迷う。そこを一度手放せたらどんな気持ちになるんだろうか。なんて考えながら観ていた。

アドルフォ・ヴェローゾさんの撮影が素晴らしくて思わずインスタをフォローしちゃう。
主演のジョエル・エドガートンはずっとどこかで観た顔だなーと思っていたら、『スター・ウォーズ 新三部作』のオーウェン叔父さんじゃないか!そして奥様役のフェリシティ・ジョーンズは 『スター・ウォーズ ローグ・ワン』のジン・アーソだ!
もうスター・ウォーズのスピンオフだこれ!とひとり盛り上がってしまった。 是非観てね。

撮影監督アドルフォ・ヴェローゾさんのインタビュー。

そういえばスタートレックのドラマシリーズがNETFLIXから消えてしまうらしい。なんて理不尽なんだろう…
まだ『ディープ・スペース・ナイン』の途中だったのに…。

『県警対組織暴力』

作業をしていたら、Youtubeで『県警対組織暴力』(1975年/監督:深作欣二/脚本:笠原和夫)が公式チャンネルから無料ライブ配信されていて、途中からだったけど、つい観てしまう。

ろくでもない警察とろくでもないヤクザのブロマンス映画である。改めて観ると、演出も構図も素晴らしい。
癒着していた警察とヤクザの仲が壊れていくシーンなんか、啖呵によるパワーバランスの変化が美しい構図で動的に演出される(しかも長回し!)、テレビから流れる「こんにちわ赤ちゃん」をBGMに血みどろでのたうち回る暴力シーンなんかものすごい。菅原文太と松方弘樹の顔の演技が暑苦しくていい。

友達がおすすめしていた小説『すべての見えない光』(アンソニー・ドーア)が届く。厚切りパンみたいな文庫本で最後まで読めるか心配。読み終わったらNETFLIX版のドラマを観よう。

「ネタニヤフ調書」「プラハの春 不屈のラジオ報道」

塩尻にある東座という名画座で「ネタニヤフ調書」と「プラハの春 不屈のラジオ報道」の2本立てを鑑賞してきた。どちらも人々の自由を奪う腐敗した権力と、それに立ち向かう人々の物語だ。「ネタニヤフ調書」では、ネタニヤフが政権を持続させるために超極右の政党(とんでもない差別主義者たち!)と手を組む。最近日本でも近い動きがあったと恐ろしい気持ちになる。権力を使ってメディアを押さえつけようとする側が、自由を訴える人間たちと「ファシスト」と呼ぶのはイスラエルでも、60年代のチェコスロバキアでも同じだった。

東座の支配人が、上映前にこれから観る映画の素晴らしさを紹介してくれたのが名画座の特別感があって嬉しかった。後20年はつづけてくれるらしい。田舎の映画館、隣ではポルノ映画がやっている。平日の夜。客は5人ほど。暗闇のなかで物語に入り込む体験はいつだって素晴らしい。いつまでも映画文化が続きますように。そして、私たちが自由でいられますように。

ホラーとやさしさ

ホラー映画のなかにはとにかく、嫌な気分にさせてほっぽりだして終わる作品もある。たしかに恐ろしいのだけど、見終わったあとになんだか困ってしまう。私は、ホラーとは語ることができなかった存在が、語る方法を得る手法の一つととらえているから恐ろしくも優しいものであると思っている。

エディントンへようこそ

レイトショーでアリ・アスター監督の「エディントンへようこそ」を鑑賞。
アリ・アスター監督作品は恐ろしい状況を生真面目に描こうとするので見ているだけで気が滅入ってしまう。めっちゃ長かった。前半は面白かったけど、とある展開からちょっとやり過ぎなんじゃないかとのりきれず。。。

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